以前からUVライトを活用しています。活用方法は種々ありますが、汚れの発見を中心に、携帯用UVライトの製作方法についても紹介します。
新型コロナウイルスの報道の中に、手洗いのチェックや飛沫の確認にUVライトを使っている場面を見ることがあります。これとは別にUVライトによる殺菌(滅菌)をネットで見ることがありますが、前者は主に波長の長い紫外線、後者は主に波長の短い紫外線に関するトピックです。
ここで扱うのは、波長の長い紫外線で、本来紫外線は目に見えないはずですが、発光領域が青にかかるものを取り扱っています。具体的には、波長が、400nm付近のLEDにより構成されるUVライトを紹介します。
使っているUVライト
上の写真は右から、市販のUVライト(波長:395nm)、百円ショップのLEDライトを改造してUVライト(波長:400nm)にした物、改造前のLEDライト(白色発光)です。左の二つは本体の色違いですが、元は同じものです。
市販のUVライトはそれほど高価ではなく、ECサイトで1000円以下で購入したものです。
上で紹介したUVライトとは別に、波長:365nmを謳うLEDライトを購入したところ、ハズレでした。確かに紫外線は含まれているのですが、白色光にUV光が混じっている感じで、紫外線を蛍光物質で白色に変換する方式のLEDの出来損ないの様な感じを受けました。
そもそも、365nmのLEDライトの値段が395nmとあまり違わない段階で怪しいと気づくべきでした。購入の際には注意が必要です。
UVライトの使い道(衛生関連)
ごく普通の人の場合、UVライトの用途としては、UVレジンの硬化が一番多い様に思いますが、今回は除外します。
ECサイトではUVレジンの硬化を除くと、飛沫の観察・発見を謳うものが多く、具体的には、「ペットのオシッコの痕跡が分かります」等と書かれています。
現物は生々しいので、代替品の写真を例示します。また、飛沫という表現も生々しいので、「しぶき」としました。実際のものは、もう少し液体が流れた感じが観察でき、「生き物感」があります。
なお、ペット限定ではなく、私たちのトイレでも「しぶき」を観察できる場合がありますが、男子小用を立って使っているトイレは観察しない方が良いでしょう。
上は一例で、万能ではありませんが、生物由来の一部種類の飛沫が付着した部分を発見するのに役に立ちます。
また、手についた汚れも、種類により、見える場合があります。
その他の使い道
クレジットカードにUVライトを当てた写真です。上はVISAの例で、UVライトの照射により、Vが浮かんでいます。マスターカードの場合は、MとCの文字が離れて浮かび上がります。AMEXは真ん中に横顔?が入ったAMEXの文字が浮かび上がります。(JCB、ダイナースは持っていません)
紙幣等の一部もUVライトに反応します。日本の紙幣もUVライトに反応するはずですが、400nm付近の波長には反応しない様でした、手持ちの紙幣で、最も分かりやすかったのは、100人民元で、表裏とも反応が見られました。
100均LEDライトのUVライトへの転換
通常は市販のUVライトを使えばよいのですが、昨今のコロナ騒動もあり、持ち歩き用の小型UVライトが欲しくなりました。出力が小さいですが、100円ショップのLEDライトのLEDをUV LEDに交換すれば、飛沫観察用に使えそうなので紹介します。
100円ショップで購入したLEDライト。
分解したところと、交換用UV LEDです。構造が分かりやすい用に透明の方を示しています。(実際の改造は青の方で行いました。)
ネジ4本を外すと、本体が2分割され、LEDとリチウム電池(CR2016が2枚)が外れます。
交換用のUV LEDは本体の直径が5mmの物を準備します。波長は、395nmや400nmで良いでしょう。
あとは、極性に注意して、UV LEDのリードを加工して、白色LEDについている絶縁用スリーブを抜き取ってUV LEDに取付け、組み立てれば終わりです。
電池の極性は+面に印字があります。LEDについては、受けの形状になっていて大きな方がマイナスです。
UV LEDの入手先については、秋葉原の電子部品取扱店、店頭かECサイトで購入できます。はじめての方は以下を検索していただければ行き当たると思います。
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- 秋月電子通商
- 千石電商
- 若松通商
- RSコンポーネンツ
- マウサー
- AliExpress
- Amazon(日本、各国)
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また、部品の検索は、UV LED 5mmで行えば候補が出てくるはずです。
くれぐれも、波長の短い、安めのLEDの購入は慎重に行い、ハズレを引かない様にしましょう。
まとめ
UV LEDライトの使い方の紹介と携帯用に適したUVライトの製作を紹介しました。
最後に注意点をいくつか書いておきます。
まず、UVライトで飛沫・汚れを観察できますが、全ての飛沫・汚れが観察できるわけではなく、一部の種類に限られることに注意が必要です。
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- UVライトで光らなくても汚れているかもしれない。が、
- UVライトで光る場合、何らかの汚れが付着している
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次に、手洗いの洗い残しをUVライトで観察する映像が紹介されていますが、あの映像はただ単に手を洗った後にUVライトで観察したものではないという点に注意が必要です。
即ち、手洗い後にUVライトで観察して、紹介された映像に比べれば、自分の手は、はるかにきれいに見えるので大丈夫というわけではありません。(よく観察すると、一部の汚れは見えますが)
あの映像は蛍光体を含むものを一旦手に塗り、手洗いをした後に残った蛍光体が光っている映像である場合がほとんどです。実際に行ってみると、完璧な手洗いは結構難しいことが分かります。
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- 興味のある方は「手洗いチェッカー」等で検索
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UV(紫外線)といっても波長により性質が異なり、長い波長の紫外線はそれほどの危険性はないかもしれませんが、少なくともLEDを直視ない様に注意した方が良いでしょう。
長くなりそうな新型コロナとの付き合いの一助となれば幸いです。